多摩川競艇場は、競艇ファンや選手から日本一の静水面と呼ばれているレース場です。

また、乗りやすい・握りやすい水面としても有名で、スピード勝負になる事が多いといった特徴もあります。

詳しく調べてみると、それ以外にも予想に役立つ多摩川ならではの特徴が多く見つかりました。

今回は、多摩川競艇場の特徴と予想のポイントを紹介します。

走りやすい淡水と風が吹きにくい環境が特徴

立地が多摩川の近くという事で、河川レース場というイメージを持っている人も多くいます。

しかし、多摩川競艇場は、川の近くにある淡水のプール型レース場となっています。

淡水なので水質は硬く、潮の流れや干満もないので選手にとっては乗りやすいと言われています。

多摩川競艇場が日本一の静水面と呼ばれる理由として「立地」と「風」の2つが挙げられます。

関東平野の風が吹きにくい場所にレース場がある事に加えて、レース場周辺は防風林に囲まれています。

レース場のある地域で少し強い風が吹いていても、防風林のおかげであまり風の影響が出ないといった特徴があります。

風が吹いている場合でも、1マークのターンにはあまり影響が出ないと言われていて、選手は風を気にする事なく自分の思うまま旋回が出来ます。

コースレイアウトは平均より少し広く癖がない

公式ホームページの水面図・コースレイアウトを確認すると、ホームストレート・バックストレッチ共に平均より少し広くなっています。

旋回時に、他の艇と接近する事が少なく、窮屈さを感じないので、思いっきり握って回る事が可能です。

また、ピットから2マークまでの距離が他のレース場と比べると短くなっている事から、前付け等で進入が変わる事は少なめです。

多摩川は追い風が多い

防風林に囲まれていて、風が吹きにくい立地の多摩川でも風は吹いています。

レースで最も多いのは「追い風」で全体の約4割を占めています。

一方、無風状態でのレースは思った以上に少なく、基本的には風が吹いていると考えた方が良さそうです。

また、風が吹いている時でも、あまり強い風が吹かないといった特徴がありました。

これは、周辺の防風林が関係していうと考えられます。

風によるレースへの影響は、向かい風はセンター勢が有利・追い風はインコースと差しが有利とセオリー通りとなります。

静水面だが逃げ出現率は全国平均以下

静水面の多摩川ですが、逃げ出現率は思ったより高くありませんでした。

2020年の逃げ出現率の全国平均「53.1%」に対して、多摩川は「49.5%」で全国19位となっています。

強風や風の影響が出にくいと言われていますが、無条件でインコースの1着を信じるのは危険です。

逃げが全国平均を下回っている一方、差し・まくり・まくり差しは全国平均を上回っています。

特に、注目なのが「まくり」です。

全国平均「14.3%」に対して「16.7%」で全国6位とかなりの好成績を残しています。

まくりに関しては、2~4コースが全国上位・6コースが全国平均より少し高くなっています。

しかし、5コースのみ、まくりは全国下位で、差し・まくり差し・抜きが全国上位です。

レース展開を考える時は、5コースのまくりは排除しても問題なさそうです。

また、まくり差しもコースを問わず、高い成績を残しています。

3コースのまくり差しは平均程度ですが、4~6コースのダッシュスタート勢は、軒並み全国上位です。

伸びの良いモーターを持った選手・艇がダッシュスタートの時は、狙い目となります。

コース別1着率は2コースがダントツ

コース別1着率での比較は、逃げが決まりにくい事から1コースは全国下位となっています。

握って全速旋回がしやすい環境となっている事から、4~6コースの1着率は全国平均を上回っています。

しかし、多摩川でのコース別1着率で最も良い成績を残していたのは「2コース」でした。

2コース1着率「16.9%」で全国2位という好成績です。

しかも、2コースで多い差しではなくまくりで高い1着率を記録しています。

多摩川では、2コースのまくり1着に警戒する必要がありそうです。

多摩川の企画番組は前半と後半の1レースずつ

多摩川競艇場の一般戦では、前半と後半の1レースずつ企画番組が用意されています。

  • 1R まつりだone→1・4号艇にA級選手
  • 9R ターゲット9→1号艇にA級選手

どちらも、1号艇にインコース勝率高めのA級選手が配置されています。

特に、9Rの企画番組は1号艇以外にA級選手がいないので、1着を1号艇だけに絞りやすくなっています。

また、1Rの企画番組も、基本的には1号艇と4号艇の2艇を軸にして、ガチガチの人気決着を狙う事が出来ます。

どちらの企画番組もA級選手が1着を獲れないだけで、高配当に期待が出来るようになります。

モーターや節間成績が悪いA級選手が企画番組の1号艇に配置されている時は、要チェックです。

多摩川の予想は風と各選手の得意な決まり手がメイン

多摩川競艇場は、淡水のプール型レース場なので、他のレース場とは異なり潮の流れや干満を気にする必要がありません。

多摩川での予想のメインは、「風」と「各選手の得意な決まり手」となります。

強い風が吹く事があまりない多摩川ですが、基本的には常に風が吹いています。

風向きによって、有利・不利になるコースが変わってくるのでしっかりと多摩川の風の特徴を覚えておきましょう。

さらに、各選手の得意な決まり手にも注目です。

2コース差しが決まりにくくなっていますが、2コースまくりが決まりやすかったりと各コースを走る選手の得意不得意な決まり手で軸が大きく変わってきます。

風の影響に加えて、各選手の得意な決まり手を予想に反映する事でより精度の高い予想を行う事が出来るようになります。

向かい風はセンター勢のまくり・まくり差し、追い風は2・3コースの差し

一般的な風のセオリーが使える多摩川競艇場ですが、セオリーとは少し異なる点もあるのでここでしっかりと確認しておく事をおすすめします。

基本的に、強い風が吹く事が少ないので今回は、向かい風・追い風共に風速3mまで緩やかな風が吹いているレースを前提とします。

向かい風の場合は、風速を問わず「1コースが弱くなり、センター勢が強くなる」のが多摩川です。

1着率で見ると、1コースの1着率が下がった分だけ2~4コースの1着率が上がっています。

5コースの1着率も多少上がっていますが、2~4コースと比べると1着率はそこまで高くないので「展開をつけるモーターと腕」がある場合のみ1着候補に出来ます。

1コースを除くと2コースの1着率が最も高くなっていますが、3・4コースの1着率はほとんど変わらないといった特徴があります。

3・4コースのどちらを頭にするか迷った時には、両方抑えておいた方が無難なのかもしれません。

一方、2着率は2~4コースよりも5コースの方が高くなっています。

向かい風の時の5コースは、1着は難しいが2着3着の可能性が残されているという事になります。

5コースが得意な選手であれば、舟券に絡めておく必要があります。

決まり手でみると向かい風の時は、まくりとまくり差しが増える傾向があります。

差し構えになる事が多い2コースも追い風時の1.5倍程度まくりが増えるといった点に注意してください。

3~6コースの決まりての70%以上は、まくり・まくり差しとなっているので、向かい風が吹いている時の展開予想はまくりで問題ないかと思います。

追い風になると、風速1mまでは1コースの1着率が若干高くなります。

しかし、風速2mを超えると1コースの1着率は下がっていくので、追い風が吹いているからといってイン信頼にはなりません。

追い風時は、2~6コース全ての差しが増えます。

向かい風時にバンバンとまくりを決めているセンター勢も追い風が吹いた途端、差し構えになる傾向があります。

また、追い風時は、4・5コースのまくり差しのみ警戒が必要です。

2・3コースのまくり差し出現率は、若干減りますが、4・5コースのみ出現率が高くなります。

追い風時は、基本的に差し展開となりますが、ダッシュスタート勢のみまくり差しを狙ってくる可能性があります。

追い風時の各コース1着率は、内側から順に高くなっているので、モーターや選手間に大きな腕の差がない場合、内側信頼となります。

選手の決まり手で軸・相手を決める

多摩川の風による決まり手の変化を覚えた後は、出走する各選手の得意な決まり手を調べます。

まくりが有利となる向かい風が吹いている時に、差しが得意な選手を軸・相手にしても期待する事は出来ません。

公式ホームページや各レース場の出走表にある「直前情報」で風の向きと風速を必ず調べる癖を付けておきましょう。

直前の風向きと有利な決まり手が噛み合った選手を選ぶ事が多摩川で勝つための予想のポイントとなっています。

インが弱い多摩川は買い目を広げるのも効果的

インが弱い多摩川は、3連単の平均配当が全国平均よりも少し高くなっています。

2000円までの配当割合が「約38%」と中穴狙いがしやすいレース場としても知られています。

多摩川で3連単の1着を1号艇以外にする場合は、少し買い目を広げておく事で取りこぼしを防ぐ事が出来ます。

特に、3着は混戦になりやすいので、荒れると感じたレースの3着は流し(全通り)で買っておいた方が安心です。

多摩川と好相性の選手は「峰竜太選手」と「平山智加選手」

多摩川競艇場と相性の良い選手として、男子選手は佐賀支部所属「峰竜太選手」、女子選手は香川支部所属「平山智加選手」が挙げられます。

峰選手は、多摩川だけではなく多くのレース場で勝率1位を獲得しています。

多摩川の勝率も「8.55」と抜群の成績を残しています。

峰選手は、全ての決まり手を使い分ける事が出来るオールラウンダーかつ、状況判断能力が高い事から多摩川の風に合わせた最適なレースを行う事が出来ます。

全てのコースから1着を狙える技術力の高さも魅力の選手です。

一方、平山選手も多摩川の勝率は「8.49」と峰選手に負けず劣らずの成績を残しています。

男女混合の多摩川の勝率ランキングでも3位となっている事から、多摩川との相性の良さが伺えます。

平山選手も女子選手トップクラスのオールラウンダーではありますが、どちらかというとまくり・まくり差しが得意な選手となっています。

特に、センターコースの時のまくり・まくり差しに定評があるので、平山選手が多摩川のセンターコースに乗る時は要チェックです。

また、女子選手では静岡支部所属「三浦永理選手」にも注目です。

平山選手の勝率の高さに隠れてしまいがちですが、三浦選手の多摩川勝率は「7.85」とA1級トップレーサーと遜色ありません。

男女混合戦になると多少勝率や信頼度は下がってしまいますが、多摩川で開催される機会の多い女子戦に三浦選手がいる場合は狙い目となります。

まとめ

以上が、多摩川競艇場の特徴と予想の時のポイントです。

日本一の静水面である多摩川は、淡水で走りやすく全速旋回によるスピード戦が主流となっています。

実際のデータでもまくりやまくり差しが決まる事が多いので、比較的展開予想がしやすいレース場でもあります。

レース結果を予想する時は、風と選手の得意な決まり手に注目する事で的中率・回収率を安定させられるかもしれません。

多摩川に苦手意識を持っている人や多摩川での負けを取り返したいという人は、今回の記事を参考にしたレース予想をしてみてください。